株を残し、枝を刈り取ります。株を残しておくことでまたそこから新芽が出て、同じ株から十年以上原料を採り続けることができます。
枝を束ねて蒸し、熱いうちに皮を剥ぎます。
天日に干し、乾燥させて保存します。
皮をいちど水につけて柔らかくもどし、包丁で一本一本、黒皮と甘皮をこそげ落とし、白皮だけにします。
天日に干し、乾燥させて保存します。
白皮を一晩水につけて柔らかくもどし、ソーダ灰か、草木灰の灰汁を入れて数時間煮ます。
ソーダ灰は食品添加物としても使われる安全なものです。
煮上がったばかりの皮はあくで茶色い色をしています。
水を何度も張り替えて、あくを洗い流します。
あくが抜けると、皮はきれいな生成り色になります。
皮についている汚れやキズ、固いところをよりわけ、ひとつひとつ手で取り除きます。
字のごとく、たたき、ほぐす。
長い状態の皮を、繊維一本一本がばらけるようにします。
できあがったものを「紙料(しりょう)」といいます。
トロロアオイの根っこを叩き、水につけておくと粘りのある液が出ます。
これがネリ。木綿の袋で濾しとっておきます。
漉き舟に「水」「紙料」を入れ、よく撹拌します。
次いで「ネリ」を入れ、よく撹拌します。
漉き桁(すきげた)に漉き簀(すきす)を挟み、紙を漉きます。
漉いた紙は板に伏せ、数十枚から数百枚重ねていきます。これが紙床(しと)。
たくさん水を含んでいる紙床を一晩から半日かけて、ゆっくり絞ります。
上からすこしづつ圧をかけていきます。
紙床から一枚づつ紙をはがし、大きな板に刷毛で貼り付け、椿の葉でこすって、天日に干します。
干し上がった紙は板からはがします。
できあがった紙を検品し、そのままで販売したり、封筒や便箋の形に裁断・糊付けなど加工したりします。